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つれづれな更新雑記です
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隆 慶一郎著。
読み終えてすぐに、この本に出会えてよかったと思った。
宮本武蔵に育てられた主人公・松永誠一郎が武蔵の遺言で吉原に赴くところから始まるストーリーは、誠一郎の出生の秘密と吉原創設の秘密、果ては神君家康の秘密へと通じていく。キーは題名にもある「神君御免状」。吉原に遊里を開くことを許可する免状ではあるのだが、そこに隠された幕府をも転覆させるほどの秘密が吉原vs裏柳生の目を覆わんばかりの戦いとなっている。
吉原は女たちを、果ては傀儡子族を守る城である。吉原遊里に対する作者の新解釈に目から鱗なのです。
もちろん吉原という以上エロスもありです。

緻密に練られたストーリー、登場人物の背景や心情、固唾を飲むような立会いと、すべてが最高級。惜しむらくは著者がたった5年の作家人生ですでにこの世にいないことと、4部作からなるはずだった誠一郎と吉原の歴史の一端がこの「吉原御免状」と「かくれさと苦界行」にしか残されてないことなのです。

読み終えていつまでも目の奥に浮かぶのが、薄曇りの芒原に立つ誠一郎の後姿だったりする。

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